第1章

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そんな時に、まさか別の場所で… 「ワイヤー、?」 すでに交戦があるとも…知らなかった。 白薔薇からの通達で森で初めて知る。 こんなこと、出来るのは…奴しかいない。 個人か?いや、違う。なら… 「あいつは…私たち以外とも交わしていたのか」 袋狼に乗り、駆ける。 私たち以外で奴が膝を折るのは…鬼と逢い引きする元人間。睡蓮。彼しかいない。 彼は…人柱。 人を支えるために人の世の柱になった男。 奴が…まさか、動いていたのは計算外だ。 つまり、リルヴィは── 主に睡蓮の仕事をしていた事になる。 突然の奇襲も…なにもかも。 「今になって…分かるなんて ただ、睡蓮は──このふざけた茶番劇を終わらせたいのかも知れません」 袋狼が小さく鳴く。 「人柱の手にかかれば…ジグラッドにいるスウィンジもまた、スウィンジに刃向かってる連中も根絶やしにされてしまいます 睡蓮の二つ名は…消去。 消されかねません!」 しかも、睡蓮とリルヴィが手を組むなんて…運命が握られてるも同じだ。 睡蓮は誰よりも人の世を理解し、また見ている。 リルヴィは運命という糸を引寄せ、また切ることも出来る。 「厄介な」 イライラしても仕方ない。
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