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コートを脱ぎながら恋人がポツリと呟く。
「なぁ~。ぉおくらぁ。
あんなカレーうどん、食べたいなぁ……」
「……出来とるで!」
先程までの気の無い素振りとは一転、ニッカリ笑って言うてやった。
「へ?うそや!?ホンマ??」
キョトン顔からのワクワク顔。
あぁ、俺はこれが見たかったんや。
俺の後について、廊下をウキウキと歩いてくる子犬の様な恋人を、今日はとことん甘やかしたろうと心に決めて、リビングに連れて行った。
「わぁ♪ええ匂いやぁ♪
大~好き♪」
カレー鍋を覗き込んだ後、俺を見つめて満点の笑顔で恋人が言う。
恋人が大好きなのは、俺の事なのか、カレーの事なのか……。
ご機嫌の恋人から、とりあえずご褒美のキスをもらった。
END
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