新人さんお手柔らかに

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翌日、二日酔いかと思いきや、嶺川さんは案外すっきりとした顔で出社してきた。 「おはようございます!」 「おはよう、嶺川さん。 体調は大丈夫?」 「大丈夫です。 昨日はご迷惑おかけしてすみませんでした」 そう言ってぴょこんと頭を下げる嶺川さん。 …可愛い。 まるで小動物か何かみたい。 「今日からよろしくお願いします」 思っていた通り、嶺川さんの研修は私が受け持つことになった。 「こちらこそ、よろしくね」 「……おはようございます……」 嶺川さんの後ろから、ヤノケンの声が聞こえた。 ばっちり二日酔いなんだろう。 ガラガラの声に、青白い顔。 「おはよう、ヤノケン……は全然だめそうね」 「ずみまぜん……」 息も絶え絶えにそう言うと、ヤノケンはバタッと自分のデスクに倒れ込んだ。
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