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「あの、昨日はご迷惑をおかけしました」
「全然。嶺川さん、大丈夫だった?」
「はい、ありがとうございました。
それじゃあ、……失礼します」
嶺川さんはまたペコリと頭を下げて、パタパタと他の新入社員たちの方へ走って行った。
やっぱり、昨夜坂崎がヤノケンに自分を送らせたことを気にしているのかもしれない。
「坂崎~、彼女がヤル気なくしたらどうしてくれるのよ」
私は腰に手を当て、大きく息を吐いた。
初日から先が思いやられる。
「そのカッコおばさんくさいよ、紺野。
部下のヤル気を引き出すのも上司の仕事でしょ?」
「わかってるわよ!!」
余計な仕事を増やしたのは誰よ!? と言いたいのを我慢した。
坂崎とやり合って体力を消耗してる場合じゃない。
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