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蒔
「お前、成長したら『Rin』廃業だろ?まぁ、『成長期』は、これからだしな。」
右手に俺を掴んだまま、蒔さんは左手で煙草を出し、火を着けると空を仰いで、煙を吐き出した。
朝陽
「ぅえぇっ?蒔さん、何で俺の考えてること、わかったの?『読心術』まで出来んの?」
蒔
「ンなわけねえだろ、馬鹿ガキ。全部、声に出てるわ!」
朝陽
「えー、まじデスカ?ってゆーか、俺は好きで『Rin』やってるわけじゃないしー?」
かなりのバイト料を貰ってるとは言え、健全な男子高校生としては、『女装』に抵抗がないわけではなく、褒められるのも、あまり嬉しくない。
蒔
「背ぇ伸びたら、別名で『男モデル』に転身させるからな?お前、カメラ映えするからな~。大事な『金の卵』だ、逃がしゃしねえよ。散々、こずに頼みこんだんだからなぁ?」
『ニヤリ』と、悪役さながらに笑う蒔さん。イケメン故、どんな表情も似合うので、そこは悔しい。俺も普段なら、まあまあだと思うんだけどなぁ………。
朝陽
「………?って、えぇっ?だって、こずさんが『モデルが急病で代役がいる』って、蒔から相談されたって言うから………。」
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