ー 朝陽と陽月 2人の本心 ー

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 『傷付くことを恐れていたら、何も出来ない』と言う人がいるけれど、それは『綺麗事』だ。  それは、『絶望』するほど『傷付いたこと』がない者だからこそ言える、『甘い理想論』でしかないのだろう。 ー俺が『立ち直れた』のは。支えてくれる、周囲の  人達に『恵まれた』からに過ぎないー  『彼』がいてくれたこそだから、だと思う。それだけは、間違いないのだ。 戒斗 「…俺は、朝陽のしたいようにすればいい、と思う。朝陽が『どんな答え』を出すにしても、俺は朝陽の味方だから。」  真っ直ぐに見詰めてくる戒斗の瞳と言葉に、胸が熱くなった。本当に『周囲の人達』に恵まれたことが『幸せ』だ。 陽月 「…………『伊達 夕日』なら、『そっちの心配』はないと思うけど…………。」  ポツリと呟いた陽月の言葉は、俺にも戒斗にも聞き取れなかった為、俺は問い掛けた。 朝陽 「え。何、陽月?何て言ったの?」 陽月 「ん?何でもないよ。まぁ、こればっかりは、あーちゃんの問題だからね。」  俺は、曖昧に頷いた。だって、本当の理由は違う。『俺』じゃなくて、『ヘヴン』の、ひいては『こずさん』の為だったから。
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