ー 朝陽と陽月 2人の本心 ー

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 伊達さんが『族潰しの銀狼』でさえなければ、『友人』くらいにはなれたかも知れない。  ーでも。伊達さんは、俺の『正体』を知らないー  俺が『ヘヴンリーブルー』の参謀『煌(キラ)』であること。陽月が特攻隊長の『光輝(コウキ)』であること。  いや、伊達さんだけじゃない。この学院では、悠さんだけが知る『事実』だ。だって、戒斗にすら、打ち明けられていないのだから。  勿論、新興勢力『漆黒ーノワールー』の『総長』を努める春貴にも、言えるはずがなかった。  いくら、『ヘヴン』とぶつかることがないとしても、知れ渡るのは『得策』じゃない、と言うか。知れたら『変装』の意味がない。 (※但し。最初の変装理由は、帰国後、『外見が日本人離れしているから』だった。) 陽月 (……………『伊達 夕日』なら、『未雪』の二の舞になることは、ないだろう。)  昨夜。自室に戻った陽月は、翡翠に連絡を取り、密かに出来うる限りの『伊達 夕日(銀狼)』の情報を集めてもらったのだ。  それ故の『判断』であったが、そう簡単に、『朝陽』を任せる気はない。    ー陽月は、朝陽を『愛している』からー
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