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『弟』としてでなく、『朝陽』を愛していた。ただ、『愛するが故』に『成就』が願えなかっただけだ。
梢のように、己のところまで堕としても、『幸せ』に出来る『自信』だけは、陽月にはどうしても持てなかったのだ。
ーだったら。朝陽を護り、その『幸せ』を願うだけー
それでいいではないか、と陽月は考えていたのだ。『愛しているからこその幸せ』を……………。
だから、『朝陽を託せる・任せられる相手』として、伊達を認めてやるのは、『やぶさか』ではないのだが………。
ーしかし。陽月にとっての『懸念』も、やはり朝陽 同様、伊達が『銀狼』であることだったー
もしも。伊達が『銀狼』として、『ヘヴン』に牙を剥いたとき、『傷付く』のは、朝陽なのだ。
朝陽の『一途さ』は、陽月が一番よく知っている。それ故、朝陽が伊達と付き合うようになった場合のことも、『視野』にいれねばならなくなった。
ー敬愛する『救世主』と、愛し支え合う『恋人』。 朝陽には、『どちらか一方を選ぶ』ことなど、出 来ないのであろうからー
『板挟み』になり、哀しみ・苦しむことになるのは、結局のところ『朝陽』になるのだろう。
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