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だって。梢は一度、『絶望』し、ズタズタに傷付けられ、『生き人形』のようになった朝陽を見ているのだから……………。
梢も、陽月同様『朝陽が傷付くこと』は、決して望まないはずだ。
そもそも。梢は『身内』には、とことんまで『優しい人間』だ。父性本能が強く、『保護欲』も旺盛。
『身内』を『傷付けよう』とする者がいるなら、躰を張ってでも『護ろう』とするだろう。それは、『最愛の蒔』だけに限ったことではない。
そういう面で言えば、梢もまた、『狼』のようであるのだ。『仲間』を護る為なら、己が傷付くことも厭わぬ、誇り高き『大口の真神(オオグチノマガミ)』。
ー朝陽が、この世で最も愛し、『美しい』とも思う 『孤高の獣』。それが『狼』だったからー
いつから、そう考えるようになったのかは、ハッキリとはしないけど、いつの間にか、そう思うようになっていた。
朝陽
「………陽月は、てっきり『反対』すると思ってたケド………。でも、俺は『あの人』と付き合う気はないよ。」
陽月
「そう。まぁ、『あーちゃんの問題』だからね。…………相手が『男』でも、あーちゃんが選んだなら、応援したいんだよ。」
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