ー 朝陽と陽月 2人の本心 ー

14/15
前へ
/99ページ
次へ
 俺の『素顔』を知っている人間は限られている。この学院で言うならば、陽月と悠さんを除いたら、戒斗だけなのだ。  勿論、春貴だって知らない。春貴なら、知られたら俺が『ヘヴンの煌』だとわかってしまうだろうから、知られるわけにはいかないけど、ね。  春貴にバレたら、『生徒会メンバー』にも、バレる可能性だって出てくる。そうなったら、面倒事になるのは、目に見えている。 ーだって。『生徒会メンバー』は全員、『ARUFA』  の幹部連中なのだからー  『抗争』に発展することはなくとも、『火種』になるのは、避けられないだろう。こずさんの『迷惑』になるのだけは、嫌。それだけは、絶対に嫌なんだ、耐えられない。 朝陽 (………馬鹿みたい、俺………。こずさんにとって、俺も陽月も『弟』みたいにしか、思われてないのに………。)  俺だって、こずさんを『兄』のように慕っているけれど、それだけじゃない。あの人は、俺の『救世主』なんだ。  いやいや。今はこずさんのことは、ひとまず置いておいて、だ。  『面識』もなく、話したこともない伊達さんが、俺を『選んだ理由』。………となると、第一印象になるのは『見た目』だ。
/99ページ

最初のコメントを投稿しよう!

120人が本棚に入れています
本棚に追加