第1章にして終章

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 高校三年最後の夏。二年前サッカーの強豪校であるこの愛古(あいふる)学院に推薦で入学し、サッカー一筋で生きてきた俺は、今現在副キャプテンを任されるまでになっていた。  そして今年は高校最後の大会、一回戦から強豪校でありライバル校である亜小夢(あこむ)高校と当たることになっている。  ついてないと人は言う、しかし俺とキャプテンの考えは違っていた。いずれは全て倒して全国制覇するつもりなのだから早いか遅いかの違いである。  それに、それだけの事はやって来たつもりだ。来る日も来る日も練習の日々。血反吐を吐き、血の小便を出し、血の涙を流してきた。周りがバイトだ恋だとうつつを抜かしている間に――だ。  また、今日はキャプテンの島袋から改めて大事な話があるというのだ、恐らく亜小夢高校と戦うことへの――いや、全国を制覇する為の意気込みを熱く語るつもりなのだろう。
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