第1章にして終章

4/12
前へ
/12ページ
次へ
キャプテンの、ご乱心とも思える突然の恫喝に部員達は各々が顔を見合わせた。そして―― 「意味わかんねえよ」 「馬鹿じゃねえの」 「やってられっかよ」 「やめよやめよ、バスケ部入ろうぜ」 「死ね!」  俺を除く全員が、捨て台詞を吐いて部室を――と言うか、サッカー部を後にした。 「と……いう訳だ蒼木」と言いながらキャプテンは俺の肩に手を置いた。 「という訳だ、じゃねーよ! 何血迷ってんだよ!? どうすんだよ! 大会まで後二ヵ月しかねえんだぞ! 今からでもみんなに謝りに行くぞ。なっ!」  しかしキャプテンの顔は何故か自信に満ち溢れていた。 「ふっ、焦るな蒼木。俺が何の考えもなしにあんなことすると思うか?」 「え?」 「俺の考えが正しければ全国制覇は夢じゃなく、現実のものとなる」 「ということは何か宛があるんだな?」 「これを見ろ」 「おお、これは!!」  キャプテンが俺に見せたものは一枚の紙だった。そこには各ポジションと見慣れない名前が書いてあった。
/12ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加