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キャプテンの、ご乱心とも思える突然の恫喝に部員達は各々が顔を見合わせた。そして――
「意味わかんねえよ」
「馬鹿じゃねえの」
「やってられっかよ」
「やめよやめよ、バスケ部入ろうぜ」
「死ね!」
俺を除く全員が、捨て台詞を吐いて部室を――と言うか、サッカー部を後にした。
「と……いう訳だ蒼木」と言いながらキャプテンは俺の肩に手を置いた。
「という訳だ、じゃねーよ! 何血迷ってんだよ!? どうすんだよ! 大会まで後二ヵ月しかねえんだぞ! 今からでもみんなに謝りに行くぞ。なっ!」
しかしキャプテンの顔は何故か自信に満ち溢れていた。
「ふっ、焦るな蒼木。俺が何の考えもなしにあんなことすると思うか?」
「え?」
「俺の考えが正しければ全国制覇は夢じゃなく、現実のものとなる」
「ということは何か宛があるんだな?」
「これを見ろ」
「おお、これは!!」
キャプテンが俺に見せたものは一枚の紙だった。そこには各ポジションと見慣れない名前が書いてあった。
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