第1章にして終章

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 キャプテンは自信満々と言った表情で、その紙に指をさす。 「さっき言ったよな、それぞれ何か特技を持ったスペシャリストを中心にチームを作るんだ、まず説明をするか」  そしてそう言うと、俺の隣に来て説明を始めた。 「まずフォーメーションは3―4―3、フォワードはオーバーヘッドキックなどのアクロバテイックプレイで点を取る『体操部の中沢』、とんでもないキック力でゴールをブチ抜く『テコンドー部の澤村』、ありえないジャンプ力と日本人離れした顔で和製ジョーダンと呼ばれている『バスケットボール部の邑上』の三人。続いてミッドフィルダーは、精確無比なトスが自慢でセンタリングを期待できる『バレー部の神原』、精確無比なアプローチやパットでパスを期待できる『ゴルフ部の服田』、俊足で一気にボール運びのできる『陸上部の太嶋』、そして総合力に最も優れサッカーのスペシャリストである『サッカー部の島袋』こと俺。続いてディフェンダーは神がかった反射神経を持つ『卓球部の福路田』、もの凄い足腰の強さと粘り強さを持つ『柔道部の多畑』、反則級の突進力で相手を吹き飛ばす『ラグビー部の畠山』 そしてキーパーは、抜群の瞬発力と運動神経で守備を勤める『野球部の耶麻仲』 以上だ。」  色々と突っ込みたい部分がありすぎたが、俺はとりあえず一番の疑問を投げかける。 「あの、一つ聞きたいんだけど、いい?」 「何だ?」 「俺は?」 「ああ、お前?だって同じ部が二人いたら何か中途半端だろ、だから控えな」
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