第1章にして終章

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 そして放課後。  まず俺達はフォワード候補、体操部の中沢を勧誘する為に中沢のクラスを訪ねた。そしてキャプテンは早速、中沢に例の話を持ちかける。 「はっ?」 「いやだからサッカー部に入らないか?」 「アホか? なんで今更サッカーなんてやらないといけないんだよ。しかも時期を考えろ」  当たり前だが門前払いだった。三年生で部活をやれる時期が残り数か月しかしかない上に、自分の部活がある奴が別の部活やるはずなんてあるわけがない。  しかし項垂れて暇は無い。続いて俺達はテコンドー部の澤村に話を持ちかける。 「お前のキック力をサッカーに生かしてみないかい?」 と、キャプテンは突拍子も無く勧誘を開始した。 「え? 球技大会でもあるのか?」 「いやテコンドー辞めてサッカーやらないかって? テコンドなんてマイナーな格闘技辞めてさ――」  瞬間、澤村のヨプチャチルギ(横突き蹴り)がキャプテンと俺のみぞおちに突き刺さる。 「はおっ!」 「がはっ……何で俺まで」  悶絶し、床に這いつくばる俺達に澤村は言い放つ。 「てめえらもう一回言ってみろ、テコンドーはオリンピック競技だマイナーじゃねえ! テレビで見て憧れた、トルコの鳥人が使ってた格闘技馬鹿にしたら蹴り殺すぞ。わかったら二秒以内に消えろ」 「逃げるぞ蒼木」 「何で俺がこんな目に」  島袋の余計な一言のおかげで肋骨にヒビが入った、ついでにバスケの邑上にも当然断られた。
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