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カズマ発進の合図に、オペレーター、2本指でパッチポットを射出。
秒速でポットから市街地である大東京へと飛び出すターンカイザー。
鈍い展開駆動音が空中で織りなされ、起動する。
○デバイスからの通信
オペレーター:「ダーンガイザー起動! すみやかに敵と交戦してください!」
ララビー:「カズ! 俺あ構わねえから逃げろ。アイツはお前のことを
どうしてだか知っている! 姿からカタチまで! 全てだ」
カズマ:「ララビーの旦那。今回ばかりは俺のワガママを突き通させて
貰う。これは…こればかりは、恐らくこの俺が片付けなけれ
ばならない気がするんだ」
ララビー:「…………………」
眉間にシワを寄せ、キツく奥歯を噛み締めるララビー。
それと同時に頭に軋みの波が襲いかかり、小さく唸り顔を抱え
自分の不甲斐なさに苛立ちと憤りを募らせる。
ララビー:「承知した。ようし…行って来い」
力なくうなだれるララビー。
ただ呆然と今起きている事象を冷めた瞳でゆらりと怪獣の方を
見つめている。
怪獣:「…来たか、ところで英雄よ」
チラリと目を泳がせる怪獣。
○ 大東京の全景と東京大摩天楼と付近の外観
5年前に建造された東京大摩天楼がそびえ立つ。大東京の再発展に伴い
「シンボル」として建造された希望の塔。
ドスの利いた黒色の両翼を羽ばたかせ大摩天楼に近付く
怪獣:「このトー。と呼ばれるシロモノも、昔は底に埋もれていた
よしよし、ここまでよくも大きくなったものだ…利口だ
…なら、誠意を以て頂かなければ失礼だな」
リリ:「あああああ…ああぁあ!!!」
AA級怪獣のしでかそうとすることをいち早く察知・理解するリリ。
アーノルド:リリクスとのシンクロ率が低迷し、不安定なためどうしても
電信系統、及び駆動機関にタイムラグが生じる。
そのため、直ぐさま動く事が出来ない。
額から冷や汗を垂れ流し、恐れ悶えるリリ。
それが引き金となったか否か。
突如、東京大摩天楼に向かって跳躍するAA級怪獣。
僅かな瞬きの間。
その瞬間、東京の『シンボル』が根刮ぎ穿たれてしまう!
パノラマ漫画のように起こってしまった出来事を順に追い
記憶と紡ぎ合わせるリリ。そして身体を震わせ、頭を抱える。
○司令室
驚愕する一同。
両目を利き手の左手で押さえ込む副艦長のヒエバナ。
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