プロポーズ

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「お嫁さんになってください」彼は突然5才の私にそう言った。彼は覚えているだろうか?今日、卒業式を迎え、彼は4月から地元の町工場に就職するらしい。もの作りの好きな彼の夢への第一歩。彼はたぶんいや絶対、公園にいる。公園は桜が散りはじめていた。その花びらを拾いながら進むとやはり彼の姿が見えた。私は両手を広げ集めた花びらを彼めがけて吹いてみせ、「覚えているよ」その一言に想いを込めた。彼は照れながら頷いた
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