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「……そ、そうかな」
「LINEおくっとこ。あ、俺食べ終わっちゃったし、リリちょっと撮らせて」
へ?撮らせてって?
そう思って顔を上げた瞬間、
カシャリ―――。
無情に響くシャッター音。
悠哉の位置から構えて撮ったんだから手元だけってことはない。
え。ちょ、
私、どんな顔してた?
「よし、送信と」
悠哉のスマホをのぞき込もうとするけど、言ったとおりに当然送った後。
アタフタしている私なんて我関せず。のんびり食べていた咲良ちゃんは手の中でどんどん溶けていくアイスと格闘中。
ピロリン♪
「はやっ、レイト早すぎっ」
返信もきたらしい……、
「はは、レイトのおやつ、チョコボールだって」
ほら、って見せてくれたのはお菓子のパッケージとおそらく本人のひと差し指の画像。
「リリ、今度味の感想聞かせてってさ」
「は?!え?私?」
「そ、俺じゃないらしいよ。そんなん直接リリに言えば良いのに」
「……私、知らないし」
「は?」
「LINE、ユーヤとしかしてない」
あぁなんでこんな事ここでばらさないといけないのか。
悲しくて涙でそう。
「リリちゃん!私なんてガラケー。」
そう言って見せてくれたのは、今時見かけなくなった二つ折りのピンクのガラケー。
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