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「次郎!」
和くんと仲良く仲直りのハグをしていたら恐ろしい形相の善ちゃんが入ってきた。
「あ、善ちゃんおはよー」
俺の掠れた声に善ちゃんも悲しそうな顔をした。
「次郎、熱が出てる。べつにここにいても構わないんだけど大事とって部屋に運ぶ。」
あーやっぱ風邪かぁ
どうりで怠い
「条山は風紀室に行って。外に付き添いいるから。次郎が目を覚ますまでって約束だよね」
「…わかった」
??
和くんは不満そうな顔で保健室を出て行った。
「事情聴取。次郎も回復したら聞かれると思う。
条山に話聞こうにも次郎にかじりついてるから目が覚めるまでって条件つけた。」
あぁ、そういうことか
かじりついてるって和くん天使すぎか。
「うわっぁ、ちょ、善ちゃん」
無表情のまま俺を横抱きした善ちゃん。
所謂お姫様だっこってやつ。
善ちゃんにされるの二回目だけど俺絶対重いからやめてほしい
「揺れて気持ち悪かったら言って」
それは大丈夫なんだけど恥ずかしいんですよ
なんて言える空気じゃない程度に善ちゃんの声に抑揚はなかったし、表情も変わらなかった。
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