第三章

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「善ちゃん、とりあえずどうどう」 首に会計を巻きつけたままそう諭すと善ちゃんがスッと目を細めた。 そしてなにを考えたのか突然ケータイをだして 「あ、委員長ですか?はい、柴田です。いえ、たいしたことじゃないんですが、 簡単にいうと次郎の貞操の危機ですかね」 なんつーことを… 委員長ってことは伊賀だよね?うそでしょ? 何分、というか何秒もしないうちにモーゼの海割りのごとく生徒たちが道を開けた。 ちなみに食堂の生徒たちはあいかわらずこっちをガン見だ。 「これはこれは生徒会の皆様がお集まりで見目麗しいですね」 キラキラした笑顔を振りまきながら大魔王様がやってきた。 「邦仁!!久しぶりだな!!!」 邦仁? あぁ、伊賀の名前か 和くんの叫び声に思わず首を傾げてしまった。 伊賀は叫びだした和くんを虫けらを見るような目でちらっとみてそのまま無視した。 本気で嫌いなんだ…怖… 「おい、和樹を無視すんなよ」 バ会長が怪訝に声をあげる。 その声も伊賀は無視するとずんずんとこちらにきて会計の首の根っこをつかんだ。 「僕の犬に触らないでくれない?」
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