第三章

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「ねぇ次郎、あのアホたちといつからそんな親しくなったの? こないだ会ったときには猿だけと親しいみたいな感じだったけど」 それはそれは優しい口調と優しい表情で問いかけられる。 気になる点といえば目が全く笑ってないことかな 「いや、親しくはないんですけど」 「んなこたぁいいんだよ、いつ接触したんだ?あ?」 ヒィィィィ誰ェエエエ 伊賀の豹変ぶりにピシリと固まってしまった。 他の委員さんは善ちゃん含め伊賀の豹変に慣れてるらしく、またか、という表情を浮かべている。 「えっと、」 会長にまず中庭で会ったことと、部屋にきたことと、会計に呼び出されたことをかいつまんで説明した。 あぁ、もちろん会長との汚い思い出(キス)は排除排除 説明し終わるとなんとも言えない表情で伊賀がこっちをみていた。 なんかこの表情懐かしいな 去年一週間犬にされたとき、俺が伊賀の親衛隊に絡まれてるって知ったときもこんな表情してた。 「そんな顔しないでくださいよ」 ヘラッと笑って言うと伊賀が目を瞠った。 「別になんかされたわけでもないし、(汚い思い出は知らん) 制裁とかないし」 そもそもなんでそんなに善ちゃんと伊賀がキラキラアホ軍団から、またはそれらの親衛隊から、俺を守ってくれるのかわからない。 「むしろここまで接触しないなんて不可能だと思ってたし、だから感謝してます」 俺的にはとても得だけど、そこまでされるほどのなにかを持ってるとは思えないし。 「次郎はほんともう…ほんとに…」 整いすぎた顔を少し辛そうに歪めた伊賀 歪めても綺麗だからなんなんだろうほんと。 善ちゃんは善ちゃんで複雑そうな表情を浮かべてるし、 他の委員さんたちは言葉に詰まって辛そうな表情の伊賀に驚いた表情をしていた。
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