第三章

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「俺がほとんど日本にいなかったからこういうことになったんだよー」 つまりこういうことだ。 ほとんど日本にいない俺を思いつづけるなんて無謀で可哀想なことをさせたくないから、当初俺は親衛隊結成を拒否した。 だっているかいないかわかんないひとの親衛隊なんて作っても意味ないし、だったら他のひとの親衛隊に入った方が幸せでしょ 「じゃあ次郎のみで掛け持ちオッケーにしたらいいんじゃないか??」 神経質そうなメガネをクイ、と押し上げながら風紀室にドカッと腰を据えた人物が口にした。 当時の風紀委員長である。 基本親衛隊はかけもちしてはいけないことになっている。 それを例外として掛け持ちオッケーにしてやろうと持ちかけられたのだ。 それでも反対したのだがチサを含め親衛隊たちが「なんでもいいから次郎様の親衛隊になりたい」とか言ってくれちゃったので特例の親衛隊が出来た。 異例中の異例だからこのことは当時の委員長、会長、そして誰かの親衛隊に入っている者のみ知り得ることとなった。 だから次郎親衛隊はトップシークレットの親衛隊で、こそこそとしか動けない 掛け持ちしてる人がほとんどだからそれを親衛隊持ち達にバレないようにするためである ということで善ちゃんはもちろん、伊賀も現・生徒会も知り得ない秘密な親衛隊ということだ。 「ってことですよ、わかった?善ちゃん」 「…微妙にわかった」 チサは困ったような笑顔でこっちを見ていた。
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