第三章

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ーーーーー ーーー 「うぁ~幾何ほんとわかんない」 授業を終え移動教室から帰り、机にベターっと張り付いた。 ほんとに数学だけは理解の範疇を超えるんだよね 「あれ、桐生が教室にいる」 前回の体育でおなじみ、山内が目を丸くしてこっちをみていた。 「なに失礼なことを… いちゃ悪いんですかー」 「んなこと言ってねーよ お前いっつも午後いないじゃんか」 「だって今日の幾何時間割変更で午後だったからさー ほんと数学だけはサボってたら無理」 「へぇ!桐生にも出来ないものあったんだなー!」 「なにそれ嫌味ー?」 よっこいしょ、と山内を見上げると山内はきょとんとした顔をしていた。 「……なに、山内その顔は」 「いや、心外だなぁと 嫌味なんてそんなこと言わねーよ 出来ないからって諦めずに頑張ってんのすげーじゃん」 なんて優しい笑顔で言うから思わず顔が熱くなった。 こいつたち悪いわ そうでした山内って親衛隊持ちのいわゆるイケメンさんだったそうでした 「それはどうもありがとう」 笑顔で返せば今度は山内が顔を染めて「おう」と言った。
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