第三章 後半

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「お前、特待生の桐生だな?何カ国語しゃべれるんだ?」 いいこと思いついた、みたいな顔して出てきた飛鳥先輩を訝しげに見つめ、数字を答える。 お気に召したようで顎に手をおいてうーん、と唸ったあと、 「お前なら見栄えもするだろうし、今度バイトしないか?」 その一言でいわゆるお仕事が始まったわけだ。 バイトと言っても俺にとっては易しいもので、国際系の人も集まるパーティに同伴して飛鳥先輩のサポートをするといったものだった。 実家が大財閥な飛鳥先輩だが、言語だけは苦手らしく覚えられて日本語英語フランス語の三カ国、 それでは足りないとのことで俺を同伴にしたわけだ。 俺はお金も入るし、ご飯美味しいし、堅苦しいタキシードは嫌だったけど女の子もいたし、楽しんでいた。
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