第一章

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no side 次郎が寝て少ししてから廊下がざわざわとしはじめた。 集会がおわり生徒たちが戻ってきたらしい 全く起きる様子のない次郎がいる教室にもわらわらと生徒たちが入ってきた。 「うぉ!?俺の机にだれかいるんだけど」 いちばんはじめに入った生徒が驚いたような声をあげた。 その目線の先にはもちろん次郎 「つーか寝てるし、誰だろ」 艶やかな黒髪が机の上にパラ、と広がっていてスウスウと安らかな寝息が聞こえた。 えぇ、どうしよう!と机の持ち主、佐藤君は頭を悩ませた。 ぞろぞろと後から入ってきたクラスメイトも見慣れない黒髪が寝息をたてているのに驚いて、好奇心をもって机を取り囲んだ。 うつぶせになっていて顔は見えない でも確かに知らない奴だ みんなそう好奇の目を向けた 「なにザワザワしてるの」 だるそうに聞こえる心地いいテノールの声が教室に響き渡ったとたん、ザワザワが一瞬止んだ。
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