第三章 後半

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飛鳥先輩の「落ち着け」の一言でその生徒はピタリと話すのをやめた。 「それで話の続きだが、」 飛鳥先輩はめんどくさいところを少しずつ省いておおまかなことを説明した。 俺に親衛隊がいることと、それを隠してること。 ぶっちゃけこれ会長たちに関係なくね?伊賀にだけ後で言っとけばよくないですか? とか思ったけどまぁこの人なりになにか考えがあるんだろうし、とほっておいた。 「親衛隊は分かったな? それで桐生隊だが、」 そこで飛鳥先輩は飛び込んできた生徒をチラリと見た。 桐生隊 さっきも説明したと思うけど、俺のもう一つの親衛隊みたいなもの。 ただこれの主導権は飛鳥先輩が握ってるらしく、行動は飛鳥先輩に筒抜けなのだとか。 ーー「餞別だ」 そう言ってニヤリと笑ったあの時はいまだに記憶に残ってる。 つまりあれだ、飛鳥先輩の当時の親衛隊を、親衛されてる本人が勝手に改名し、行動内容を変えちゃったという理不尽かつ残念にもほどがある団体だ。
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