第三章 後半

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「去年の秋頃な、こいつ強姦未遂にあってんだよ」 その言葉に次郎がすこし体を固くしたのがわかり、神田はなだめるようにぎゅっと抱きしめた。 善と伊賀は聞いていたからか落ち着いていたが、意外にも仕事をしていた会計がわたわたとして書類をバサバサ落としていた。 久住と七瀬は意外そうにひょいと眉をあげただけで、とくに大きくは反応しなかった。 「こいつに親衛隊がいるとはしってたが、大きく動けないってのはよく分かってなかったから起こったんだよなァ。 まぁ起こしたのは俺の親衛隊なんだがな」 「神田会長の親衛隊だったんですか…」 善が顔を顰める。 ーー神田様に近寄らないで! そう迫られたのを次郎はなんとなく覚えていた。 「まぁ下っ端の馬鹿たちが勝手にやったことだから。俺の親衛隊は基本的に優秀だったし。」 先ほど飛び込んできた生徒が嬉しそうに微笑む。 「ということで俺が卒業して手持ち無沙汰になった奴らを集めて桐生隊を作ったってわけ。 俺はもう学校で守れないからな」
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