第三章 後半

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すでに酸欠で意識が朦朧としていた俺が、その言葉をゆっくり咀嚼して理解したのはとっくに飛鳥先輩が姿を消したあとだった。 …まじで? てか太郎がこないだ電話で言ってたのってこれかよ… 「次郎っ」 焦った顔をした善ちゃんがすごい勢いでこっちに寄ってくるのが見えた。 そういえばずいぶん安定している、と見上げると七瀬会長がなんとも言えない顔で俺を見下ろしていた。 善ちゃんは七瀬会長から俺を剥がすと、ハンカチをポケットからだして俺の口をこすり始めた。 「なんなのいまの」 俺と飛鳥先輩がキスしてる間、どうやらみんなピシリと固まっていたらしい。 あの伊賀も固まったのか、すげぇ 「君も隊長としてあれでいいの??」 あ、まだいたんだ隊長さん 善ちゃんの質問に隊長さんはさらりと涼しい顔をして 「以前からそうですから、慣れました」 なんて爆弾をおとす。 まぁそうなんだけど 俺も慣れる程度にはやられてるんだけどさ。 まぁあれはペットを可愛がる飼い主みたいなものだからとくに気にしてない。 快楽主義者の俺としては全然構わない。 人前でやられたのはやめて欲しかったけど。
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