第四章

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「えー、これから球技大会の説明をします」 マイク越しに聞こえた低すぎず、高すぎず、な声に生徒たちがワッと声をあげた。 舞台にたつのは言わずもがな生徒会一行様である。 ちなみにマイクをもってるのは久住副会長 美少女みたいな綺麗系イケメンだがスラリとしているのでネコからもタチからも大人気。 もうそんな時期か、と善は隣ですでに寝ている次郎にため息をこぼした。 帰って寝る、と言った次郎をどうにか引っ張ってきたのは、次郎がずいぶん憔悴していたからだ。 原因は多分あの猿だと善は目星をつけていた。 喚きながら和樹が次郎から逃げた日、あの日から和樹はパタリと教室に来なくなった。 部屋にも帰ってないだとか。 食堂で時たま見かけるが、目が合ってもそらされ、完全に無視されていると次郎が嘆いていた。
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