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だるそうに顔にかかった髪の毛を耳にかけながら柴田善は周りをぐるりと見回した。
柴田善は俗に言う美人さんだった。
さらさらの銀色の髪を肩につくほど伸ばし、キレ長の眼は冷たい。めちゃめちゃ冷たい。
綺麗なのだが人と馴れ合わないタイプの美人さんなので周りは遠くから見るのみ。
2-S、つまり次郎のクラスではちょっぴり恐れられていた。
怒らせたらやばそう、怒らせたらやばそう、と怯える生徒は多い
でもかっこいい!…それが生徒の声である。
そもそも、今日は朝早くから強制参加の生徒会に参加させられて彼はすこぶる機嫌が悪かったのだ。
「おいなに立ち往生してんだぁ?」
善に続いて入ってきたホストこと佐賀先生は不思議そうな顔で人の群がりの中心に顔を向けた。
「あ~集会にいねぇなと思ったらこいつ」
はぁ、とため息をついて生徒をかき分けると次郎のそばに立つと
「おきろ!!桐生!!!」
持っていた何冊ものノートを振り上げて黒髪に振り下ろした。
「うわ!?いたい!」
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