第四章

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ーー ゆらゆら、ゆらゆら なんかすごい夢心地がいい 揺りかごで揺られてるみたいだ。 まだ覚めたくなくて、必死に近くにあったそれを掴んだ。 「次郎、集会終わったから教室戻るよ。これから競技決め。」 耳元で耳慣れたこえが聞こえて目を開いた。 「んぇ?」 ごしごし目をこすってやっと状況を理解 って!!うわぁぁ!? お姫様抱っこされてる!!? あれ!?集会は!!?!? 「ちょ、降ろ、して!善ちゃん!!」 「暴れないでよ。起きなかった次郎が悪いんだから」 うえええめっちゃ見られてる見られてる…というか睨まれちゃうじゃんこの野郎 それになにより恥ずかしい 「恥ずかしいなら顔うずめときなよ」 それもそうだ、なんて妙に納得して善ちゃんの首にぎゅ、と手を回し肩に顔を押し付けた。 「うわーやばいなー」 善ちゃんが顔を赤くしてそう呟く声は聞こえなかった。
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