第四章

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ーー ーー ーーー 「これよりリーダー会議をはじめます」 バスケ班 と黒板にでかでかと書いてあり、その前には見知った、というか全力で会いたくなかった伊賀が立っていた。 そして意外にも斜め前に会計が座っている。 あいつリーダーとかやるくちだっけ? そう思って見ていたらこっちを伺うようにして顔をむけられ、すぐにそらされた。 (なにあれ、ほんとむかつく) さみしいかも、なんて気持ちをかき消して心で悪態をついてみる。 「リーダーは他の競技の助っ人にも優先的に出させられるから、がんばってくださいね」 相変わらず人面のよさそうな笑顔を浮かべて説明する伊賀に、何人かいたチワワがほうとため息をこぼした。 というか俺、自分のクラスにしか友達いないしまじぼっちなんですけど 知り合いといえば会計と伊賀くらいなものだ。 そう思いながらあたりを見回すと、隣の生徒と目があった。 2年B組のバスケ班リーダーらしく、目が合うと人懐こい笑顔でニッと笑われた。 「おまえ桐生だろ?いつ帰ってきたんだ?」 「えっ俺のこと知ってるの?」
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