第四章

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「そういえば名前なんていうの?」 聞いてなかった忘れてた、と思い、聞くと 「……平岡 巴だよ、巴って呼べよな!次郎!」 妙な間が少し気になったが軽く背中を叩きながらにっこり笑う巴にそんなこと吹き飛んでしまった。 「うん、巴よろしく」 ーーー 「うわぁ~疲れたぁあ」 部屋のベッドにダイブして深呼吸した。 終礼まで残ってたことがまず奇跡 さらにリーダー会まで行ったことが奇跡だ。 会計は始終そっけない、というか完全に俺のことスルーしてたし、伊賀は俺が喋ろうとすると死ぬほど怖い笑顔で諌めてきた。 まぁ伊賀にしろ、会計にしろ、何人かいたチワワたちに群がられてたしざまぁみろだ。 ふとドアの隙間から見えるリビングに目をやった。 和くんが帰ってこなくなって、さらに生活感が無くなってきた。 冷蔵庫には和くんお気に入りのプリンが賞味期限に迫っていることだろう。 ふいに目頭の奥が熱くなった。 「…なんだこれ」 俺はどうしたらいいの?
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