第四章

16/98
前へ
/861ページ
次へ
ーーーー ー 「委員長、もうリーダー会の話はいいんで球技大会での警護の話しませんか」 恐る恐る平風紀の一人が口に出した。 「そうやな、邦仁、もー桐生くんの話はお腹いっぱいやで」 地味(失礼)に風紀副委員長の西園寺がお腹をぽんぽんと叩きながら発言する。 その会話に善は大きくため息をついた。 リーダー会から帰って来てから伊賀はひたすら 「まさか次郎に会うとは思わなかったな」 「あの犬も実は俺に結構懐いてるのかもしれないね」 「仕方ないから躾てあげようかな」 なんて珍しく頬を緩めて物騒なことを言っていた。 (躾けるってあんたがいうと笑えないんだよ) 伊賀が真性のサディストだと知ってる風紀の面々は次郎に手を合わせた。 「ただ気になるのは平岡がいたんだよね、リーダー会」 「平岡って、あの?」 「そう、あの平岡」 「うげ、あいつは後輩イコール可愛いって方程式に全く当てはまらんやつやで」 平岡? 善は今年初めて風紀入りしたためにその存在を知らない。 ただあんまりいい話じゃなさそうだ。
/861ページ

最初のコメントを投稿しよう!

10404人が本棚に入れています
本棚に追加