第四章

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「お前なぁ」 山内がただでさえちょこっと下がってる眉をさらに下げた。 「あー、山内今日から俺の人間保冷剤ね」 「人間カイロのノリで言うなよ、語呂悪い」 暑いから離せ、と文句言うわりに振り払ったりしない山内の優しさが大好きだ その時集合してた二年バスケ班たちが顔を真っ赤にして俺らを見ているなんて気がつかなかった。 「なーにイチャイチャしてんの」 山内の手に癒されていたら反対側の頬をスルリと撫でられた。 「次郎ほっぺためっちゃピンクになってんじゃん、かわいー」 「なんだ、巴か」 「なんだって、なにそれ傷つくんですけど、てか写メっていい?次郎のTシャツ姿かわいー」 巴やっぱりアホだわ パシャリ、と軽いシャッター音が聞こえて巴がにこやかなのがわかった。 山内は何やってんだこいつらみたいな顔してた。 「ねぇ、会計さんめっちゃこっちみてるよ」 「ん?」 山内がほら、と目線を動かした。 俺が振り向くとともにそらされる顔。なんていうか、もう慣れた。 「次郎なんかしたの?」 「なんも、いーよほっとこ」 くそくらえだ あんなやつ会長にでも食べられちゃえばいいんだ
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