第四章

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side伊賀邦仁 「委員長お疲れ様でした」 サッカーで無事S組に勝利した俺はクラスのテントには戻らず、風紀テントに直帰した。 こころなしか少し剥れたようすの善にタオルと共に迎えられる 「あぁ、善もお疲れ」 たしか善はサッカー中の見回りだった気がする。 風紀本部のテント内の椅子に腰をかける善に違和感を感じた。 「お前、クラスのテントいかないの?」 いつもなら俺と険悪になる程度に次郎にぺっとりくっついているはずの善が、なぜか風紀テントにいる。 それはかなり異様 「なんか次郎、B組に友達いるらしくて、」 あぁ、嫉妬ね そうつぶやくくと善の銀色の髪がさらりと揺れた。 「…たしかに次郎が他のやつといるのは嫌ですけど、俺なんかその友達?のこと苦手で」 人嫌いでクラスメイトからも恐れられてるらしい善の人見知りはいまに始まったことじゃない でもそれのせいで次郎に張り付くのを諦めるなんてよっぽど苦手なのか 「へぇ、苦手ね」 B組の友達? 少ししてから違和感に気づいた。 他のクラスから少し遠巻きにされるS組が他クラスに友達ができるきっかけは? 他のやつならともかく次郎だ あのめんどくさがりな次郎がそんなアクティブに行動するだろうか。
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