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「善、そいつB組って言った?」
嫌な予感がする、と伊賀は目を細めた。
「はい、B組の、あー名前忘れちゃいましたけど
バスケ班リーダーって次郎が言ってました」
その条件に当てはまるのはひとり
伊賀の頭に一見爽やかそうな生徒の顔がぼんやり浮かんだ。
去年は一緒に仕事もしていたが、伊賀もどうもその生徒に苦手意識を持っていた。
「善、もしかしてそいつの名前平岡巴じゃないか?」
名前を試しに口にすると善は首を傾げた。
「あー、次郎名前しか言ってませんでしたけどそうですね、ともえ?みたいなそうですね。
…え?平岡?」
善は以前風紀の間で話題になった「平岡」を思い出して顔を引きつらせた。
ーー「後輩=可愛いの方程式が当てはまらんやつや」ーー
西園寺の苦々しい顔
そして
ーー「平岡が、いたんだよね」ーーー
伊賀の刺々しい言い方
「委員長、平岡ってまさか…」
「まさかそんなに次郎と接近してるとは思わなかった。
善、この際言っておくけど平岡巴という人物はね…」
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