第四章

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「…桐生…」 情けない声が聞こえた。 蚊の鳴くような声とはうまくいったものだ。 「…そんなに俺が嫌いなの?」 いまだ顔をそちらに向けずに声を発すると後ろで息をのむ音が聞こえた。 「そうじゃな…」 「俺、会計さんと仲良くなってきたのかなぁなんてすんげー自過剰なこと考えてたわ。 もう名前で呼ぶのもやめたみたいだし、」 「ちが…」 「嫌いなら徹底して。存在無視するくせに見てくるの、すんごいやだ。」 一回もろくに返事をさせず、俺はバスケ班の輪の中に逃げた。 そうだ そうじゃんか 俺すんげー自過剰 だって会計は俺のこと嫌いって言ってたし、抱きついてきたのだってもしかしたら嫌がらせだったのかも 「あー…もーやだ」 なにが嫌って、こんなことにこんなにイライラしてる自分がすんごい嫌だ。
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