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突然Tシャツを脱いだ次郎に観衆は呆然とした。
(しっろ!!!ほっそ!!!)
アンダーシャツも脱ぎ捨てられ、次郎はふとマークするように立ってる男子生徒を見て
「暑いですねー」
と笑いかけた。
本人はただ笑っただけかもしれない。
しかし如何せん暑い
染まった頬はピンク色で、それに対して病的に白い肌が惜しげも無く晒されている。
それに初めて見るものには辛いものがあるのが次郎の笑顔
やけに色づいた唇が妖艶に弧を描き、垂れた目がさらに甘く垂れる。
「っっ」
真っ黒なまつげに縁取られた目がゆらりと揺れ、マークしている男子生徒はクラクラした。
「次郎!!!」
サッと回って来たボールをチラリとも見ずにキャッチし、そのまま軽く投げる。
簡単に入ったボールに次郎は満足し、また白ティーを着た。
次郎は脱いだアンダーシャツを片手に持ち、いまだ固まっているマークの人にもう一度微笑んで山内のところに駆けていった。
(そりゃ反則だろ)
一連の流れをみていた観衆たちはいまだ固まるその生徒に哀れみの目を向けた。
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