第四章

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ーーー ーーside桐生次郎 「んー、やっぱ痛い」 それに暑いし苦しい 誰も見当たらない日陰で、先ほどのようにまたうずくまっていた。 どうしよう保健室とかいったほーがいいのかな なんかすごい不安だ 不安定だ。 誰でもいいから、誰か そんなこといったって無理だ 善ちゃんはバレー班、伊賀はたぶん助っ人に行ってる、山内は組長で忙しい、巴も助っ人だって言ってた。あぁ、チサもバレーだっけ ちなみに論外だけど、和くんだってバレー班、会計はあんな調子 あー俺ほんと知り合いすくねー 「…ッはぁ…」 じくじく痛む頭を守るように手で抑えた。 やっぱ風邪だろーなきっと 歓声が聞こえる あとピピーって笛の音も バレー班始まったらしい 今何時だ ってケータイ持ってねぇよ試合のあとのまんまだもん あーもー、なんでこんな弱ってんの俺、 ほんとだせぇ その時かすかだが、遠くの方で誰かの叫び声が聞こえた。
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