第四章

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「??なんだろー…めっちゃ叫んでる?」 しかもなんかいい感じの叫び声じゃない。 嫌がってるみたいな声だ。 そしてこの声は少し聞き覚えがある。 「…和、くん?」 無意識に口からでた名前にハッとする。 そうだ、この声は和くんだ。 「和くん…っ」 正直もう走る気力とかないけど、でも和くんの叫び声が聞こえる。 しかもこれコートとは逆だよね?バレー班だからとっくにコート入りしてるはずなのに、 なんで? 深く考えることを放棄し、かすかに聞こえる声を頼りに俺は走り出した。 頭にチラつくいやな予感を振り払って、 無事でありますように と願いながら。
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