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行き着いた先は使われてるのか使われてないのかわかんないような倉庫だった。
そして中から聞こえる声は間違いなく和くんの声
和くんの声に混じって低い声やら少し高めの声やら聞こえる。
錆び付いた重いドアをなんとかして押して、隙間に体を滑り込ませた。
「ねぇ、なにやってんの」
「じろ…」
目の前には手を縛られてシャツが無残にも破かれた和くん
目は大きく見開かれ、涙の跡が見える。
そしてその上にのしかかるようにして大柄な男子生徒が3人ほど囲んでいた。
嫌な予感が当たってしまった、と俺は泣きそうになる
「へぇ、桐生次郎じゃん」
奥にいた小柄な男子たちがクスクスと笑った。
「こんなことしてどうすんの、ねぇ、和くんを離してよ」
怖い
怖いけど
和くんがこれからどうにかされてしまうほうが怖い
大柄な男子生徒のうち、1人がこっちに向かってきた。
「ちょうどいい、桐生次郎もやっちゃってよ」
その瞬間脇腹をすごい勢いでなぐられた。
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