第四章

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痛い、痛い 頭も、あと殴られたお腹も、 痛い 目の前には息を荒くして俺を押し倒してる男 シャツがいつの間にか脱がされていた。 目を横に向けるとポロポロと大きな目から涙をこぼす和くんがいた。 その和くんに覆いかぶさるようにして男子生徒が顔をうずめている。 「やめろ!!やめろってば!!!」 泣きながらも反抗しているが正直無駄な抵抗とはこのことなんだろう ぼんやりしている頭でそう思った。 って、ぼんやりしてる場合じゃない。 「っ」 思いっきり俺に覆いかぶさる男の股間めがけて膝をあげた。 「っっってぇ」 あー、いたいだろう、ごめんな でも硬くしてるお前も悪い。 そのすきに転がり出て、床にある少量の砂をかき集めた。 突然の仲間のうめき声に何事だとこちらに目を向けた男にその砂を投げかける。 「うぉぉ、目がぁあ」 ラピ◯タか、なんて突っ込みを心でしてからあと一人、和くんを組み敷く男に近寄る。 そして脇から足をいれ、鳩尾を思いっきり蹴り上げる。 まさかすぎる攻撃に動けなかったらしい。 呻いていた。 「和くん、逃げて」 和くんを縛っていたものを取り去り、立たせて背中を押した。 「じろっ」 俺に抱きついてくる和くん うーん、正直そんなことしてる場合じゃないんだけどなぁ 「てめー、よくも…っ」 股間を蹴り上げた男が怒りに震えてこっちを睨んでいた。 思ったより復活が早いな、なんて冷静に考えた俺は多分ネジがとんでたんだとおもう。
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