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珍しく顔を青くした元後輩が試合が終わったと同時に駆け寄ってきた
ーー次郎を、助けてーー
その焦ったような言葉に嫌な予感を覚える。
場所をきき、向かうとそこは廃倉庫だった。
鍵を壊し、途中から合流した風紀全員でのりこむ。
「やべぇ、風紀じゃねーか!」
倉庫の中には三人の男と次郎と条山
1人は条山を押さえつけており、二人は次郎に跨っている。
現実だと思いたくはなかったが、1人は次郎の胸元に顔をうめ、1人は汚物を次郎の口に押し込んでいた。
「てめぇ、ら…ッッ」
「善、落ち着いて」
わかってる、落ち着いてる場合じゃない
でもここで手を出したらアウトだ。
荒ぶる善を西園寺が抑え、そのすきに1人ずつ風紀が捕まえた。
とりあえず汚物出しっぱなしのそれを思いっきり蹴り上げてはおいた。
「次郎っ、」
解放された条山が次郎に抱きついて泣いていた。
次郎の口からは白濁のどろりとしたものが垂れている。
どうしようもない感情に見舞われる。ここで自分が次郎を運んだりしたら壊してしまう自信がある。
「…西園寺、次郎を保健室に運んで」
「委員長、俺が…ッ」
「善は、この状態の次郎を傷つけない自信、あるの?
俺は、絶対壊しちゃうと思う」
その言葉に善は目を瞠った。
そして弱々しく首をふる。
「わかった、俺が運ぶわ」
「善は条山よろしく
おれは平岡のところに行ってくる」
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