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side条山和樹
部屋に帰ると次郎が寝ていて、あまりにも苦しそうだからこっちまで苦しくなった。
「うるさくするなよ」
脇の椅子に座っている善が睨みをきかす。
「なぁ、次郎大丈夫なのか?」
「熱が出てる。風邪をこじらしたみたい」
そういいながらサラサラと次郎の髪をいじる善はひどく柔らかい表情を浮かべていた。
あぁ、ほんとに次郎熱あるんだ、とへこんだ気持ちになる。
「…そんな顔するな。別にお前が悪いわけじゃない」
そんな顔ってもともとこんな顔だ!と言いたいがそんな空気じゃない
「でも、」
そうは言っても俺のせいなんだ。
「お前が自分を責めるなんて次郎が喜ぶと思うの?」
首を振る
そんなわけない
多分和くんが助かってよかった、とか言って笑うんだろう
「お前が勝手に自責の念に駆られるのはいいけど、それを表に出さないで。
次郎が悲しむ」
あぁ、善ってほんとに次郎のこと大切なんだ。
善はもっと冷たいイメージあったけど、次郎にはでろ甘だ。
溶かしちゃうんじゃないかってくらいでろ甘だ。
「善、ありがとな!」
「大きな声をだすなって言ったでしょ、あと邪魔だし同んなじ空気吸いたくないから出てって」
「友達にそんなこと言っちゃだめなんだぞ、」
でも、じゃあ次郎をよろしく
頑張って小さい声で抗議すると部屋を出た。
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