第一章

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「なにした、っていうか俺のほうが絶対被害者なんだけど」 うどんの汁をずぞ~っと啜ってチラリとみながらつぶやいた 珍しく日本に帰国して学園に戻ってきたある時のある日、それは起こった。 俺はそのとき特待生だしサボっていいかなーなんてそんなノリで授業さぼって中庭で寝てた。 わりと草花が茂った場所で、ふわふわ香る自然の香りに癒されて寝てた気がする。 そのとき ガコッ と鈍い音がしてお腹のあたりにすごい痛みを感じて、人が倒れこんで来た。 「い、いったぁああ!!!」 寝ぼけてたとはいえ痛いの嫌いな俺は飛び起きて倒れこんで来た人を見上げた。 見上げるとアッシュグレーのサラサラな髪の毛と、それはそれは麗しい綺麗なお顔が目の前にあった。 それが出会い なんて素敵なもんじゃない。 寝ていた俺に気づかず俺に躓きこけたおっちょこちょいな伊賀様のお怒りは半端なものじゃなかった。 「なんでこんなところで寝てるんだろう、授業中だよね、ねぇ、なんで?死ぬ?」 なんて物騒なことを言われ挙句 「反省文、特盛で20枚でいいから、よかったね」 なんて理不尽な罰を言いつけられ(もちろん逃げた) それからは見かけるたびに 「あぁ、あの時君につけられた傷が痛くて飲み物買いにいけないなぁ」 「あぁ、傷がいたんで歩けない…書類提出しなくちゃいけないのに…」 とまぁ一週間ほどパシリにされた。
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