第一章

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「ちょっと待ってろ調べてやる」 管理人さんはポケットから持ち歩き灰皿を取り出しタバコを消すと管理人室までとことこ歩いて行った。 来い、ということなのだろうか 扉を少し開けたまま部屋に入っていく管理人の後を次郎は追いかけた。 「うげー」 思ったよりすんごいフェミニン なにこの基本色がピンクな感じ 「…うさぎ?」 玄関脇スペースのゲージにはもしょもしょと草を食べる真っ白なウサギがいた。 プレートがかかっていて 「ココア」 と可愛らしいフォントで書いてある。 色違うじゃんかこいつ完全にミルクじゃんか と心でつっこんで奥に入っていく。 「お前の同室は…えっと」 パラパラと書類をめくるたびにうっとおしそうにかかる金髪 こうして顔だけ見てるとイケメンなヤクザみたいなのに視線を下ろすと乙女趣味すぎて気持ち悪い。 「あぁ、条山和樹な。」 …どっかで聞いたことある名前だ。
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