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どうも、桐生次郎です、こんにちは。
物心着いたときからあちこち飛び回るのが大好きな俺。
海外大好き。
でもご存知の通り、禁止令出ました。死んでしまいたい。
別れ際にパスポート取り上げられたし、あのひと絶対鬼畜。
理事長室をでると少しだけ気温が高く、湿度も高い。
「あーもう。日本のこの湿度と気温が嫌いなんだってば」
スーツケースをガラガラ引きながら寮どこだっけ?と首を傾げた。
つーか太郎だ、太郎に電話しよう。泣きつこう。
パスポート作ってもらおう。
携帯を取り出し、「たろう」という項目を押した。
ワンコールもしないうちに
『もしもし?まさかと思うけど次郎』
まさかとは思うって、どう考えても俺だと思うんですお父さん。
「太郎、俺海外禁止令出ちゃったんだけど、パスポート手配してくれる?」
海外禁止?知ったことじゃない
こっそり行くに決まってるじゃん。
『パパって呼びなさいって言ってるだろう。
それはそうと次郎、そろそろ日本に落ち着きなさい。』
うお、めずらしく父親らしいこと言いはじめた太郎にはぁ?と反抗の声を上げる。
「日本すきじゃないんだもん」
『サブに会えなくてもいいの』
ぐ、と言葉に詰まった俺に気づいたかのようにフフ、と笑いが聞こえた。
サブを使うなんてほんとにいい性格してるよなぁ、太郎も理事長も。
「…サブには会いたいけど…」
よく考えたらサブは中等部じゃんか。中等部に行けるのって滅多にないし、ここにいたってあんま会えないんじゃないか。
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