第二章

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「…ぇ!!!ねぇ!!!」 すごい勢いでゆさゆさとゆすられて目が覚めた。 やけにぼんやりした視界に自分が泣いていることに気がついた。 「ん、あれ、ここ…」 ねぼけて記憶があやふやな次郎は歪んだ視界を正すように目をこすってきょろきょろした。 「大丈夫か!お前!!」 しばらくぼんやりしたのち、はっきり目に映ったのはキラキラした金髪に、それに見合った美しい顔立ちの少年だった。 「お前泣いてたぞ!大丈夫か!」 不安そうに眉をさげ、覗き込んでくる少年。 状況があまりわからなかったが、とりあえず懐かしい夢に涙していたということはわかった。 「だいじょぶです、なんかすみません」 そう言って次郎が微笑むと少年は顔を少し赤くして目を瞠った。 「お前、名前なんて言うんだよ」 蒼い目に自分が映ってて、その澄んだ青色に、 わぁ、きれい なんて思いながら 「桐生、次郎」 名前を口にした。 「そっか次郎か! 俺は条山和樹!よろしくな!」
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