第八章

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ーーーー ーー ーー 「おお、生きてたか」 夏休みおわりまですぐそこ、というところで意外な訪問者が現れた。 「なんだ、山内か」 手にダンボールをかかえて、日に少しやけた山内が笑顔で立っていた。 「てか、は?お前なんで焼けてねぇの?夏休みだったろ?」 「俺が外に出るとおもうの」 「あぁ、そっか」 簡単に納得した山内は部屋に入れろ、とでもいうように体をゆらした。 ため息をついて体をずらすと楽しそうに部屋に入ってきた。 遠足にきたガキかなにか、かお前は。 「自宅訪問~」 山内はどすん、とダンボールを共同スペースのはじに置いてずうずうしくもソファに腰をおろした。 ちなみに今の今まで俺がねてた場所だ。どいてほしい。 「つーか久しぶりだな次郎」 一応客か、と思いながらお茶を用意して運ぶ。 そういわれればそうだ、久しぶり 「ね、元気だった?」 「興味なさそうに聞くのやめろよ」 まぁ元気だったけど、 そういう山内は言葉通り元気そうだ。うらやましい。 「てか、なんでそんなに焦げてんの」 「部活ばっかだったもんで」 「あー、おつかれ」 部活って夏休みもやるんだ 大変だなあそれは。 「つーか生活感ねぇなお前の部屋」 「和くんいないからさ」 山内のとなりにゆっくり腰をおろして俺も用意したお茶をのんだ。 そういやお茶とか久しぶりだ。 水で生きてた。 …なんか静かだ、そうおもって山内をみると目をまんまるくした山内と目が合う。 「…なに」 「お前条山と同室!?」 「え、なにしらなかったの」 そんないまさら。
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