第八章

32/42
10287人が本棚に入れています
本棚に追加
/861ページ
「まじか…ここ条山の部屋なのか」 …なんかチラチラ周りを見ながら言われると変態にしか見えない。 「…いっとくけど和くんの部屋には入れないからね」 変態防止。 枕の匂いとか嗅ごうとしたらぶっつぶす。 「はぁ?ちげーよ。 むしろ逆、俺あいつ苦手なの」 その言葉におどろいた。 「え、山内苦手とかあるの」 「お前おれのことなんだとおもってんの」 くっそテンション高くて安定してるあほだと思ってたごめん。 心で謝ると 「顔に書いてあんぞ」 それはわるかったな。 「なんか転校当初さ、ってか今もあんま変わってないけど あいつ人の言うことあんま聞かないだろ?んで甘えるだろ?」 そういう甘ちゃんが苦手、 そう言った山内の眉はしかめられていた。 親衛隊には妬みで嫌われていたけれど、人気者とかいわゆるイケメンには好かれることはあれど、嫌われるみたいなことはなかったからおどろいた 「あー、これ言うなよ。傷つけたくはない」 傷つかないとおもうけど。 そう思いながらうなずいた。 というか苦手なくせに傷つけたくはないっていう優しさが山内らしい。 そんなところが結構気に入っていたりする。 ふ、と笑うと 「なんかお前のその顔久しぶりにみた。」 そう言って山内もふ、と笑った。 さすがイケメン とても綺麗な笑顔だった。
/861ページ

最初のコメントを投稿しよう!